プロジェクト始動の経緯

八角平和計画(Star Anise Peace Project)は、2013年にミャンマーで始まりました。 2011年、ミャンマーのサイクロンナルギス被災地緊急医療支援および復興支援に加わった医師・林健太郎は、東日本大震災により帰国し支援グループを指揮した後、2013年に再びミャンマーに入り、ミャンマー/タイ国境元紛争地域における移動診療事業(日本財団からの受託事業)およびモン州におけるHIV感染者コミュニティ支援事業に従事します。 これらの活動において林が目の当たりにしたのは、命を救う薬が国から無償提供されているにもかかわらず、病院への交通費がなく、患者自ら投薬をあきらめてしまうという絶望的な貧しさでした。ここで林は医者として技術を提供するだけでなく、個人・コミュニティーへの経済的自立をもたらす支援の重要性を認識します。 そんな時に耳にしたのが、八角から抽出する成分がインフルエンザ薬タミフルの原料となる、そのタミフルは2023年に特許が切れ、ジェネリック薬品の販売が解禁となるという情報でした。 長い植民地支配と少数民族間の紛争、焼き畑、違法な伐採により荒廃したミャンマー山間部には、そうした状況により孤立した貧しい少数民族が暮らしている。その地域に八角の実のなる「トウシキミ」を植樹すれば自然環境が改善し、ジェネリック版タミフルの生産により雇用も生まれる! 林は、長年の支援活動を通じて知り合った優秀な現地スタッフとともに、早速プロジェクトに取り掛かったのです。

私たちの理念

私たち八角平和計画研究所はBarefoot Doctors Group の一員として国内外の人々の健康向上、疾病予防および治療への寄与を目的とし、1.国内外の医療・福祉に関する研究、教育、臨床、その他援助活動、2.平和構築に資する活動を行います。八角平和計画においては、ミャンマーでの抗インフルエンザ薬「タミフル」の原料となる八角(トウシキミ)を栽培、植樹し、戦争/焼き畑農業/ゴム産業植樹のために荒れた自然を回復すると共に、雇用と産業を創出、構造的暴力の根絶、平和構築を目指してまいります。